作品タイトル:インテリアタイプγ線分光計
表示名:デジ・ポンタ
コンセプト・作品説明 |
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有事から数年、苦労して入手した線量計に埃が溜まってはいませんか?日常で活きてこその測定器です。この作品は、γ線検出を視覚的に表示し、日々の平常を癒しとして感じさせるインテリアライトの提案です。検出したγ線のエネルギー値に応じた色相で発光します。なお、平常時、数分で1回程度検出する感度に調整しています。 |
アイディアの内容と喜ぶ人
【課 題】チェルノブイリ原発事故から30年、福島原発事故からも5年経つ現在、平常に戻ってくると、非被災地では、積極的に放射線量を測定しなくなり、買ったガイガーカウンタ(放射線量系)も、埃がたまり放題だと思います。これでは、有事の際には、文句も言えないし、異常があったのすら分からずじまいになります。また、教育指導要領のせいか、放射能や放射線に関する知の断絶も、今後は、勘弁して欲しいと感じています。
【使 用 者】 一般市民、一般家庭、公共施設
【アイディア】 知の断絶も防ぐため、温度湿度計のアナロジーとして、放射線測定に関しても、平常を、癒しで日々確認できるインテリアにするべきだと思いました。さらに、検出した放射線も、何が原因かも分かるようにγ線分光計をベースに、平常を可視化するインテリアを、製作することにしました。
コンテスト最終審査までに実現すること
このインテリアタイプγ線分光計は、2013年に製作し、下記URLにて、概要並びに作品写真を、公開しています。
https://makershub.jp/make/621
【γ線分光計の一般的原理説明】γ線分光計とは、γ線は発生元の原子の種類によって、エネルギーが異なっています。自然界には、このエネルギーの違いを光の強さに変換する物質(シンチレータ)があります。このような物質で比較的使われるのがNaI(ヨウ化ナトリウム)です。このNaIを仲介して光の強さを測ると、γ線のエネルギーが分るですが、発生する光そのものは、微弱で、感度の高い光センサが必要となります。この光センサには、ノイズに強い光電子増倍管が使用されることが多いです。
【作品で工夫した点】このインテリアタイプγ線分光計の仕組みは、既定エネルギ以上のγ線の検出(NaIシンチレータ+光電子増倍管)を、そのエネルギ値に対応させた色相で、発光させています。γ線の検出信号の測定や全体の制御には、GR-SAKURAを採用しています。なを、検出信号の測定において、GR-SAKURAのADCが高速に使えることで、採用しました。なお、既定エネルギ値は、平常が癒しとなる程度に、数分間で1回程度の頻度で検出するところに調整しています。なお、インテリアとして、日々の平常と、まれに起きる異常が区別できる範囲で、γ線のエネルギーの絶対値を示すものではなく、相対的な表示としています。
デモ動画
GRデザインコンテスト 2016 ファイナリスト